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技術士二次試験 / 選択科目Ⅱ-1 / コンクリート / コンクリートの種類

マスコンクリート(温度ひびわれ)

参考文献:コンクリート標準示方書 施工編 2023年制定(12章) 出題:H28・R6 Ⅱ-1
通常モード:全文表示中
定義:セメントの水和熱に起因した温度ひびわれが問題となる構造物を、規模によらずマスコンクリートとして取り扱う。 部材寸法の目安は、広がりのあるスラブで厚さ80〜100cm以上、下端が拘束された壁で厚さ50cm以上
⚠ 温度ひびわれの 2類型(連想チェーン)
① 内部拘束型 → 表面ひびわれ
水和熱で内部温度↑ 内部と表面の温度差 表面に引張応力 表面ひびわれ(初期材齢に発生)
② 外部拘束型 → 貫通ひびわれ
温度降下時の体積収縮を岩盤・旧コンクリートが拘束 引張応力 貫通ひびわれ(耐久性・水密性を著しく損なう)

暗記必須の管理基準値

発熱量の目安
単位セメント量 +10kg/m³ → 約+1℃
部材寸法の目安
スラブ80〜100cm/壁50cm 以上
パイプクーリング 通水温度差
≦20℃ 程度
ひびわれ誘発目地 断面欠損率
50% 以上
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概念・定義

定義:セメントの水和熱に起因した温度ひびわれが問題となる構造物を、規模によらずマスコンクリートとして取り扱う。部材寸法の目安として、広がりのあるスラブは厚さ80〜100cm以上、下端が拘束された壁は厚さ50cm以上である。

温度ひびわれの種類:【内部拘束型】部材の内部と表面との温度差により表面に引張応力が発生し、表面ひびわれが生じる。【外部拘束型】温度降下時の体積収縮が岩盤や既設コンクリート等によって拘束されることで引張応力が発生し、部材を貫通するようなひびわれが生じる。

発熱量の目安:発熱量は単位セメント量にほぼ比例し、単位セメント量10kg/m³に対してコンクリート温度が約1℃の割合で増加する。

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品質確保のための具体的方法(理由を必ず添える)

材料選定最重要
中庸熱・低熱ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末・フライアッシュセメント等の低発熱型セメントを使用し、遅延型混和剤や膨張材を適切に選定する。
理由長期強度を確保しつつ、水和熱の発生速度を小さくしてコンクリートの温度上昇を根本から低減させるため。遅延型混和剤は大量打込み時のコールドジョイント防止にも有効である。
配合計画
所定のワーカビリティーと強度が確保できる範囲内で、単位セメント量をできる限り小さく設定する。
理由コンクリートの発熱量は単位セメント量にほぼ比例するため、発熱源を少なくすることが温度上昇を抑え温度ひびわれを防止する最も確実な方法であるため。
製造・運搬
材料をあらかじめ冷却するプレクーリング(冷水・氷水・小片の氷・液体窒素の利用等)を行い、練上がり温度を低く設定して管理する。
理由打込み温度を低くすることは、部材内外の最高温度の低減に直接的に寄与し、発生する温度応力を低減させて温度ひびわれの防止に極めて有効であるため。
打込み・締固め
打込み区画(ブロック分割)・リフト分割の大きさ・継目・打継ぎ時間間隔を、温度ひびわれの照査で想定したとおりに厳守して施工する。
理由打継ぎ間隔が短すぎると放熱が少なく全体温度が高くなる一方、長すぎると旧コンクリートとの温度差が大きくなり拘束応力が増大するため。
仕上げ・養生最重要
表面を断熱性の高い材料(発泡スチロール・保温シート等)で覆う保温養生を行う。また内部に冷却水を通水するパイプクーリングを計画どおり実施する。
理由保温養生は内外の温度差を抑え温度降下速度を緩やかにして熱応力を緩和するため。パイプクーリングは初期材齢の内部温度の最大値を強制的に下げ、外部拘束による貫通ひびわれを防ぐため。
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留意事項

A施工条件変更時の再照査
施工時期の変更による気温変動や、打込み区画・リフト高等の施工方法が大きく変わる場合は、実際の施工条件に基づき温度ひびわれの再照査を実施する。
理由温度ひびわれの発生確率は外気温・打込み温度・拘束条件に極めて敏感であり、設計時の想定と施工環境が乖離したまま施工すると過大な引張応力が発生し要求性能を満足できなくなる危険性があるため。
Bひびわれ誘発目地
材料・配合の対策のみで制御が困難な場合は、長手方向に一定間隔でひびわれ誘発目地(断面欠損率50%程度以上)を設ける。
理由発生不可避なひびわれを計画的に目地へ集中させ、一般部のひびわれを防止するとともに、止水材等の事後処置を確実に行えるようにして全体の水密性・耐久性を担保するため。
C温度履歴の実測とフィードバック
コンクリート内部・表面の温度履歴を温度センサーで実測し、事前検討(温度応力解析)の妥当性を検証する。
理由実測値が事前解析の計画と大きく相違する場合に、型枠取外し時期の延長や養生方法の変更等を速やかに行い、致命的な温度ひびわれの発生を未然に防ぐ必要があるため。
Dパイプクーリングの温度・通水管理
通水温度と内部温度の差を20℃程度以下に管理し、12〜24時間ごとに通水方向を切り替える
理由通水温度が低すぎるとパイプ周囲が急冷されて局所的な引張応力が生じ、かえってひびわれを助長するため。通水方向の定期切替は冷却効果の偏りを防ぎ、部材内部の温度分布を均一に保つため。

解答に記載すべきキーワード

定義
水和熱起因の温度ひびわれスラブ80〜100cm以上下端拘束壁50cm以上
ひびわれ種類
内部拘束型(表面ひびわれ)外部拘束型(貫通ひびわれ)
材料
中庸熱ポルトランドセメント低熱ポルトランドセメント高炉スラグ微粉末フライアッシュセメント膨張材
温度制御
プレクーリング(冷水・氷・液体窒素)パイプクーリング(冷却水の通水)
照査・計測
温度応力解析ひびわれ指数 Icr温度センサーによる温度履歴の実測
制御策
ひびわれ誘発目地(断面欠損率50%以上)ブロック割・リフト割の厳守
パイプ管理
通水温度と内部温度の差 ≦20℃12〜24時間ごとに通水方向切替